Blog黒田院長のブログ

2022.11.24

038 ワールドカップ

今日聴いていた音楽

ベートーベン交響曲第5番「運命」

ベルリン交響楽団 アンドレ・クリュイタンス指揮

 サッカーワールドカップ、カタール大会で我が日本代表がドイツ代表に歴史的勝利をおさめた興奮さめやらぬままこれを書いております。はい、白状します。私はミーハーなのだ。思えば、ドーハの悲劇からジョホールバルの歓喜を経て、日本が史上初のワールドカップに駒を進めた1998年フランス大会、我が代表チームはアルゼンチンに負け、クロアチアに負け、最後にこの相手なら勝てるから一勝だけは掴もうと言ってたジャマイカに負けて三連敗。ジャマイカ戦、中山選手のゴールが後世に語り継がれる歴史とはなったが、国際的には何ら結果を残せず敗退した。あの時私が率直に感じた思いは、「サッカー先進国の人々はこんなに楽しい思いをずっと前からしてたんだズルイ」と言う、駄々っ子がぐずるのと何ら変わらないものだった。代表の試合がある日は前日から何となくそわそわ落ち着かず、誰が怪我したとか敵の情報だとか、私が知っていたからと言って日本の勝利には何の役にも立たないのだけど詳細にチェックをし、自国が敵陣に迫れば身を乗り出し、点を入れたと言っては(1点だったけど)喜び、勝ったと言っては(勝たなかったけど)熱狂する、負けたとなったらまるで空が丸ごと我が身の上に落ちてきたかのように落胆する。日常ではとても経験することの無い、天国と地獄を数分おきに行ったり来たりするせわしない感情のジェットコースターに初めて我々日本人は搭乗を許されたのだ。その4年後、日本代表は腺病質のフランス人監督に命運を托し、自国で開かれる大会に予選免除で参加を許された。各地に巨大なスタジアムを建設し、理解と誤解を積み重ねながら4年に一度開かれる地球最大規模の祭りをごく真面目に楽しもうと準備を進めた。大会が始まり、我が日本代表チームがベルギーと引き分けて初めての勝ち点1、ロシア相手に初めての勝利、チュニジアに初めての1試合2得点で快勝しグループリーグ突破などと史上初を積み重ねてゆくにつれ、まるで我々は周りの全ての人が友人で世界は友愛に充ち満ちており、解決できない難問など何も無い様な幸福感にひたっていった。日本がロシアやチュニジアに勝った翌日は普段見慣れている日常の風景が少し鮮やかに感じられた程だ。きっと今迄サッカーなどと無縁な生活を送ってきたと思える市井の人々が青いユニフォームを身に纏い、額を上げ顔を輝かせて試合の話題に興じ合った。鼻や臍にピアスをした若者が立ち上がって君が代の斉唱に参加する、学校で子供たちがテレビの前に集合して代表選手のプレーに歓声を送る、渋谷や新宿に集結したサポーター達の暴走と合わせてお馴染となったそれらの風景にも我々は寛容な微笑を送り、時に一瞬の光景が的確に涙腺を刺激した。
 日本が日韓大会ベスト16でトルコに負け、ドイツ大会ではオーストラリア、ブラジルに蹂躙され、南アフリカ大会ではPK戦でパラグアイに屈し、ブラジル大会ではコロンビアにいいようにやられ、ロシア大会ではベルギーの電光石火のカウンターに沈んだ。我々も歓喜と失望の瞬間を過ごしてもう随分の時間が過ぎた。そして今日、我が日本代表は1点のビハインドでも決して怯むことなくW杯4回優勝の王者ドイツに立ち向かい、見事な勝利を勝ち取った。いやもう凄いことだと思うし、外野の勝手な呟きではあるがこのままの勢いでグループリーグを突破してくれることを願ってやまない。それにしても、色々な問題を指摘されているカタール大会ではあるが、やっぱりサッカーは面白くて素晴らしい。