Blog黒田院長のブログ

2022.08.25

035 復刻

今日聴いていた音楽

北村英治カルテット‘ Because of You’ 他

以前このブログにも書いたが、このところ北村英治さんの温かいクラリネットにまるでぬるま湯につかるが如くどっぷりと浸っている。 私は良い音楽をできるだけ自分にとって心地よく聴きたいと常に願っていて、まだまだ自分自身、これが最高と言える境地には至っていないのだが、それでも自分の脳内麻薬がどばどば出るような音楽を、自然のうちに涙が流れて心底くつろげるような音で鳴らしたいと、まぁそう思いながら日々オーディオ環境を整え、音楽を聴いているわけです。

ここ数年来、診療を含めた様々な機会で20代、30代の皆さんと話していて感じるのは、スピーカーから流れてくる音楽を聴くのはほぼほぼ無くなっているのだろうと。ほとんどの若者はイヤホンやヘッドホンでデジタル音源を聴いているのではないか、実感としてそう思う。 もちろんそれにはきっと理由があって、スピーカーで大きな音を出せる環境を構築するにはセットそのものやら防音やら、長く信頼して使えるようなシステムを組むならある程度の予算は確保しなきゃならない。ヘッドホンオーディオだって近年目覚ましい進歩を遂げてめちゃくちゃ良い音出してるし。だけどね、質の高いイヤホンやヘッドホンで音楽を聴いてきっと満足している若い人たちに、幾多の障壁があるのは重々承知の上でやっぱりスピーカーオーディオを経験してもらいたいなと切に私は思うのである。再生するソースは音楽サブスクライブでもアナログレコードでも、極端に言えば何でも良い。自然な音楽は音像が頭の中で定位するのではなく、前から聞こえてくるものだとね。もっと言ってしまえば、打ち込み系やコンピュータージェネレーテッドなサウンドなら耳元で強い音、ビートを刻んでほしいと思うが、四六時中そんなに強い音楽を脳みそに浴びせかけるのは果たしてどうなんだろうかな?

そんなことを言われたって予算には限りがあるし、アンタはそれが出来るから好き勝手書いてんだろ、と批難されればもちろんその通りだと思う。対案無くして批判なし。そこで私が提案したいのは、1970年代から2000年代位のオーディオ製品でシステムを組むことだ。国産オーディオメーカーが百花繚乱、素晴らしい企業努力をもって今では考えられないような物量を投入したアンプやスピーカーは、それこそ中古オーディオ店やヤフオクにだっていくらでも、と言っても良い位上玉が転がっている。スピーカーなんてそうそう悪くなるもんじゃないし、アンプの修理だって完全にオリジナルまで戻すとなればパーツの供給面から難しいが、現代の進歩したデバイスを使って完璧に直してくれる施設はちゃんとある。こんな個人医院のしょうもないブログで書いたところでスピーカーオーディオの衰退には何の歯止めにもならないだろうが、多くの人々にとって幸せになる近道たらんことを願って止まない。