Blog黒田院長のブログ

2021.04.15

017 知恵

今日聴いていた音楽
八代亜紀「命のブルース」(96KHz/24bit) 他

まずは医療関係者向けではあるが、我が国でもようやくコロナワクチンの接種が始まった。私のところでも今週末、文京シビックセンターの接種会場にスタッフ全員で行く予定だ。そんな状況下ではあるが、相変わらず私の話は医療とは全く関係無いので、コロナワクチンの有益な情報を得たいと思う方々には残念ながら参考にならない。
誠に申し訳無いことではあるので、そういう方はどうぞ厚労省のFAQなどを参照して頂きたい。

このところコロナで蟄居を強いられ、旅に老いて夢は千里を駆け巡る、ではないが暇を持て余して古今の史書を読み漁っている。
例の、愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶ、というドイツの鉄血宰相ビスマルクの名言である。この困難な時代をどうやって生き延びれば良いのかというヒントを歴史に学ぶ事で、何とか自分も賢者のはしくれに這い上がろうという私なりの姑息な魂胆でもある。

司馬遷の「史記」、吉川英治の「三国志」「新平家物語」「私本太平記」、司馬遼太郎「竜馬がゆく」「坂の上の雲」などなど。
かつて我が国にも、誇らしい時代も有れば唾棄すべき狂気に満ちた時代も有った。
この国に生きて死んでいった全ての人々の思いがごたまぜになったスープの様なものを我々は味わって、少しでも現状を生き抜く栄養にしなければならないと切に思うが、先に挙げた史書の記すところはもう、とにかく人と人との殺戮の歴史である。
史記では呉越の確執有り、三国志では魏呉蜀の争い有り、本朝で言えば源平の時代、南北朝の時代、幕末の動乱、太平洋戦争、どうしようも無く人々が死んでいく。時に下らぬとしか言い様の無い為政者のエゴであり、時に疫病や災害であり、時に何のきっかけとも言えぬ不安からの集団心理であり、どうやったらこんな惨状を回避出来るのかと思考するのも憚られるくらいのものだ。
そんな前近代の野蛮な時代とこれだけ技術が発達した現代を比べたって意味が無いと誰かが言うかもしれない。その通りだ。
暗黒の時代にインターネットは無く、医療知識は現代の水準からすれば戦艦と筏くらいの差が有って、我々はかつての先祖に比べ遙かに賢くなっていると信じたい。
流言飛語に惑わされず、心配したって仕方無い不安など何処かにうっちゃって、だってアナタは熱も咳も味覚の障害も出てないんだからさ。
悲惨な戦乱に明け暮れた時代を逞しく生き延びた、歴史書に載る事などついぞ無いが歴代の為政者達より遥かに強かな草の根の庶民に、コロナの時代を生き延びる術を学びたいと私は切に思うのだ。