Blog黒田院長のブログ

2022.04.02

029 アンガーマネジメント

今日聴いていた音楽
Golden earrings
Willie Nelson 他

 先だって行われた米国アカデミー賞の壇上で、コメディアン出身の司会者クリス・ロックに奥さんの病気をからかわれた俳優ウィル・スミスが件の司会者にビンタを喰らわすと言う前代未聞の出来事が有った。司会者のジョークは脱毛症に悩んでいる女性に対して度を越していたし、怒りが抑えられなかったウィル・スミスもいけなかったのだろう。折角勝ち取ったアカデミー主演男優賞も剥奪されるかもしれないとのこと、怒りから生み出されるものはそんな社会的制裁だったり後悔だったり更なる悲しみだったり、いずれにせよ良い産物では無いように思う。
 怒りという、有史以来我々人類に付きまとって離れないネガティブな感情をどう制御したら良いのか、これは自省も含めてなかなか難しい命題である。何せ最近私ゃコロナ絡みでしょっちゅう怒りの火山を噴火させてるからね。ぶっちゃけた話、コロナ患者電子登録システムのHerSysなる代物、どこの誰がどこの誰の指令でこんな使い難いモン開発したのか聞いてみたい、、なんて非医療関係者にはさっぱり分からない愚痴はさておいて。
 これは日本アンガーマネジメント協会からの引用だが、怒りが生じる性格には以下の6つのタイプが有るそうだ。
1)公明正大
正義感が強く、曲がったことが許せないタイプ。マナー違反や社会の規範から外れたことを見聞きすると怒りを感じやすく、人をジャッジしようとしたり、常に正そうとしたりして、物事に介入しすぎる面があります。
2)博学多才
向上心があり、完璧主義な点があるため、物事に白黒をつけないと気が済まないタイプ。はっきりしないことや人に対してイライラしてストレスを溜めやすく、自分にも周りにも厳しくなってしまう傾向があります。
3)威風堂々
自尊心が高く、自分の価値観や考え方に対して誇りを持っています。そのため、軽んじられたり、ネガティブな評価を受けたり、自分の思いどおりにならないことがあると不満を抱えてしまいます。
4)天真爛漫
自分の考えや感情を素直に伝えることができ、しがらみなく自由に行動したいタイプ。
意思表示をはっきりできない人や思いどおりに行動できない人に対してイライラしやすく、渋滞など他人によって行動が制限されるとストレスを感じます。
5)外柔内剛
表向きの穏やかな印象とは裏腹に、自分の意思や決めたルールを重んじるため、ほかの意見や価値観には目を向けない傾向があります。我慢強い一面がありますが、度が過ぎたり自分のルールに反している物事と出会うとささいなことでストレスを感じることがあります。
6)用心堅固
とても慎重派なので、人とも距離をとって、時間をかけて吟味し、交遊するタイプ。プライベートな領域にズカズカと無断で他人が踏み込むとストレスや怒りを感じます。

 自分がどれに当てはまるのか考察するのも興味深いが、何となく1から6まで全てごちゃ混ぜになっている気もする。諸兄姉はいかがだろうか。とは言え、どのタイプだろうが肝心なのはどうやって怒りをコントロールするか、なのである。
 私が敬愛する小説家、エッセイストにしてグルマン、卓越した釣り師だった故開高健氏は、相手に対して怒りを覚えた時に「コイツの葬式に俺はどんな弔辞を読むか、その文面をつらつら考えているうちに怒りも収まる」みたいな事を書かれていて、成程と膝を打った私は以来この心理動作を使い続けている。え、医者のくせに不謹慎? そりゃ口に出しては言いませんよ、大人なんだから。
 ああ、でも、HerSysには寿命も葬式も無いからこの手が通用しないな。コロナ患者の報告は医師の義務だけど、苛ついてパソコン殴ったら壊れるし下手すりゃ拳を痛めるし。此奴、どうしてくれよう、、。