文京区白山 くろだいいん 外科,内科,消化器科,内視鏡科,皮膚科,リハビリテーション科,各種健康診断,人間ドック,くろだ医院

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経営理念
・はじめに ・神戸のおにぎり ・小さな医療 ・インフォーム・コンセント ・生活習慣病 ・death education 癌告知 ・免疫療法、その他の代替治療 ・救急医療 ・そして、「病気を診ずして病人を診よ」 ・終わりに
はじめに
川内先生に仰せつかってこの白山の地でクリニックをお手伝いし始めてから、早いものでもう3年が経ちました。地域で多くの方々と思わぬご縁も出来、此の度川内クリニックを引き継ぎ「くろだ医院」として開設させて頂く運びとなりました。生活習慣病の予防と治療、苦痛の無い内視鏡をはじめとして、皆様の「有ったら良いな」に応じたクリニックとなるべく努力して参ります。以下、開院のご挨拶としては些か異例の誹りは免れない長文ですが、しばしお付き合い下さいますれば望外の喜びと存じます。
神戸のおにぎり
今回クリニックを継承させて頂くにあたり、果たして自分の信ずる医療の「背骨」は奈辺に有るのかと考え、それはまあ酒精に曇った頭で随分考えた末、あれが自分の医者人生に随分影響したなと確信的に思えたのが平成七年一月十七日、あの阪神淡路大震災での出来事です。
私は震災後2日目に医療ボランティアとして神戸へと入りました。義弟があるボランティア団体に所属していた関係でAMDAとい
う大きな団体に便乗させて貰い、関西空港から連絡船に乗って神戸港に入り、そこから徒歩で神戸市役所を経由して長田区の区役所へ。長田区は被災地の中でも特に建物の損壊著しく、区役所は家を失って避難してきた人々で満員の状態でした。
勤め先に無理を言って東京を飛びだしてきた手前、期限は3日間と決まっていました。外科的治療を必要とする患者さんは既に近県へと搬送されていて、むしろ必要とされていたのは劣悪な衛生環境下で多発していた感染症への対策や、家族や財産を失った罹災者への心のケアでした。
我々は4-5人で10班程度に分かれ、区内の各ブロックを車で巡回して回りました。たまたまやはりボランティアでいらしていた映画監督さんと関西人のおっちゃんが我が班の運転手役を買って出てくれ、様々な場所に行ったのです。至る所で建物は潰れているわ傾いてるわ、ビルの4階だか5階だかがまるでダルマ落としの様にスコンと抜けていたのには慄然としましたが、地元の人々が逞しく復興へ向けて働いている情景には感動するやら舌を巻くやら。人間てのは土壇場になると強いものだと感動したのを昨日の事のように思い出します。かと思うとボランティアと称して興味本位に神戸へ押しかけ、倒れかけた家屋の前でピースサインの記念写真を撮っていた馬鹿共が被災者に囲まれて殴り倒されるなんて事件もあって、まあとにかく色々な事があった3日間でした。
夜は夜でみんなが区役所の中で雑魚寝をするんですが、夜中の急患に備えて必ず二人ほどの医者が当直として起きていました。水が出ないので水洗便所が汲み取り式になっちゃったり、ガスや電気が止まって食べ物が無かったり、フランス人が主体のボランティア団体、「国境の無い医師団」やNHKのクルーが泊まり込みで取材に来てたり、日本全国から続々と医療チームが派遣されるような状況でも、衛生状態が悪いのと寒いのとで急患は引きもきらない状態だったんですが、ある時、家潰れちゃって区役所の2階に避難、避難って言ったって区役所の廊下に避難した人たちが一人ひとり布団を敷いて、隣の人との間に段ボールで衝立たててるだけなんですけど、そのうち一人のおばあちゃんが診察後に、「アンタたちが折角アタシらの為に来てくれてるんだから、この位返さないと申し訳が立たない」何処の方言か分からない訥々とした言葉でそんな事を言われておにぎりを二個と蜜柑を一個、私の手に載せてくれたのでした。こちらもプロの端くれだから診療中に感情を乱す事はそう滅多に無い事だけど、その時は不覚にも涙が出た。我々が神戸の人々を助けに行った様で、実は我々が神戸の人々に助けられていたのでした。あれからもう十年余が経とうとしています。あの人は元気にしているだろうか。
小さな医療
それは決して生死を分ける大手術でも無ければ、多くの人手を必要とする様な大規模なものでは有りません。日々患者さんがご近所のクリニックにいらして、何か清々しく楽しく思えたり、ひょっとして痛みが少し軽くなったように感じられる事。それは些細な事で笑い合ったり、自分の身体を知ってくれている看護師さんだったり、スタッフが添える手の温もりであったり、医師の言葉端のちょっとした触感だったり、患者さん各人各様の受け止められ方は有るのでしょうが、きっと本来の意味で寛げるクリニックというのはそのような資質を備えているのでしょう。
私自身はと言えば、大学病院の消化器外科という部門に長く身を置いて、「大きな医療」「困難な症例」なるものを追いかけていた時期も自分の中で恐らく有ったのだと思います。勿論今迄だってこれからだって、そのような医療に関わる方々に居なくなられては困りますが、やはりそれだけではいけない。我々がこのクリニックで目指すものはきっとこういう「小さな医療」なのです。
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